
親御さんとしては、「将来、いい学校に行って、いいところに就職して、安定した生活をしてほしい」と思われるかもしれません。
しかし、中学受験は高校受験と違い、お子さん・親御さんとよく話し合う必要があります。
中学受験の場合、お子さんはまだ小学生ですので、本人のやる気なしでは合格はあり得ません。
どうして中学受験を勧めるのか、理由をきちんと説明した上でお子さんの意見を聞くようにしましょう。
アンケートの結果では、親御さんの約50%が「子供本人の意思で受験をした」と答えていますが、お子さんの約40%が「親が勧めたから」と答えています。勧められて決めたのは本人の意思かもしれませんが、相手はまだ小学生です。
お子さんが本気で受験したいと思っていなければ、受験勉強は苦痛でしかありません。それでも合格すれば良いですが、途中で「受験しない」となる可能性も低くありません。受験のために費やした塾や家庭教師の費用は決して安くないのです。
反対に、お子さんが「受験したい」とおっしゃっても、家庭の事情で断念せざる得ないご家庭もあるのではないかと思います。
・「私立中高一貫校に入学すると高校受験をしなくてよい。」
・「設備・教師・友人・方針など、すべての生活環境、教育環境が充実している。」
・「公立校と私立校に行っている子の学力差に違いがありすぎるから。」
・「近隣の公立中学の噂が悪い。」
・「ゆとり教育への不信感。」
・「同じレベルの子たちと切磋琢磨して欲しいと思ったから。」
・「地元の友達の多くが公立中学に通うから。」
・「子供本人が受験したくないと言ったから。」
・「私立校は費用が高い。」
・「家から近いので通うのに便利。」
私立中学と公立中学の違いを比べてみましょう。
基本的に中学校は義務教育なので、公立だと授業料は無料です。2008年11月、大阪私立中学高等学校連合会は大半の私立中学校が、2009年の新入生の授業料を値上げすると発表しました。値上げの原因は、大阪府による私学助成金の削減が挙げられます。
大阪府の橋下知事は財政再建の一環として、私立学校への助成金を25%削減。
これにより、中学校60校中34校が授業料を平均6万円値上げするという事態になりました。
| 項目 | 公立 | 私立 |
| 学校教育費 | 13.3万円 | 95.8万円 |
| 授業料 | 0円 | 41万円 |
| 修学旅行・遠足・見学費 | 2.5万円 | 6.5万円 |
| 学校納付金等 | 1.6万円 | 25万円 |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 2.5万円 | 3.9万円 |
| 教科外活動費 | 2.6万円 | 4.9万円 |
| 通学関係費 | 3.7万円 | 13.6万円 |
| その他 | 0.4万円 | 0.7万円 |
| 学校給食費 | 3.7万円 | 0.7万円 |
| 学校外活動費 | 30.2万円 | 30.4万円 |
| 補助学習費 | 23.6万円 | 19.4万円 |
| その他 | 6.6万円 | 11万円 |
| 年間の学習費の総額 | 47.2万円 (3年間で約141万円) |
126.9万円 (3年間で約380万円) |
※文部科学省「平成18年度 子どもの学習費調査」より
私立中学校、公立中学校のどちらにもメリット・デメリットはあります。どちらがお子さんに合うのか、じっくり話合って下さい。
私立中学校ですと、学校説明会や相談会も行っていますので、気になる学校には足を運んでみてはいかがでしょう。
メリット
・教師の指導能力が高く、教育方針が明確。異動がないので、安定した教育を受けられる。
・色々な地域から生徒が通うので、広範囲に友達ができ、多くの刺激を受ける。
・中高一貫校で高校受験がないので、のびのびと学生生活を送る事ができる。
・独自の学風、教育システムがある。
・学力レベルが同じくらいの生徒ばかりなので、ライバルがたくさんいる環境での勉強ができる。学力向上がのぞめる。
・スポーツや、芸術にも独自のカリキュラムを取り入れている。
・学校のブランド力がある。卒業後に就職などで役立つ事がある。
・帰国子女の受け入れや、体調の弱い子でも進学できるような対応をとってくれる。
・学校の設備が整っている。
・不良の子と友達になる確率が減る。
・大学への進学率が良い。
・家庭の経済力の幅が同じくらいなので、衝突が少ない。
・高校受験がないので、塾の費用がかからない。
デメリット
・費用が高い。
・通学に時間がかかる。
・通学費がかかる。
・PTA活動などが多い。
・勉強に力を入れていない私立中学に入ってしまうと、学力が上がらない。
・子供に小さい時に受験させるので、ストレスになるのではないかという不安。
メリット
・自宅から、学校までが近い。
・小学校からの友達と一緒に通える。
・費用が安い。
・地域に根差した教育環境。
・通学経路が安心。
・小学生で友達をライバル視しなくても良い。
・通学費がかからない。
・教師に異動があるので、経験豊富な教師が多い。
・地元で多くの友達を作れる。
デメリット
・風紀が乱れやすい。
・生徒の学力の差が大きい。
・教師の異動があるので、指導能力にバラつきがある。
・ゆとり教育での学力低下。
・家庭の経済力に幅があるので、いじめにつながる事がある。
・高校受験のための費用が必要。
・質の良い教育が受けられるか不安。
ここ10年ほど、中学受験をするお子さんが増加傾向にあります。原因はやはり「ゆとり教育」に対しての不信感です。
授業でついて行けない子供が多いのは、授業が「つめこみ教育」であり、登校拒否や不登校の生徒を増やし、クラスが荒れる原因になるとして、1989年に文部省(現在は文部科学省)が教育課程の改訂を発表しました。
そのため、公立学校の授業日数、授業時間は激減。1968年には1085時間もあった授業時間は、1998年には945時間にまで減少してしまいます。2002年には、完全週休5日制がスタートと同時に、「総合学習」という時間が導入され、その分「必須科目」の授業時間が削られる事に。
「国語」だけでみてみると、1968年には245時間だった授業時間は1998年には175時間にまで減少。
70時間もの削減が行われたのです。この「ゆとり教育」は社会問題となり、2007年8月、新しい学習指導要領について審議している中央教育審議会(文科相の諮問機関)の教育課程部会と小学校部会は「国語や算数といった科目を小学1年~2年生で年間70時間、小学3年~6年生で年間35時間」年間授業時間を増やす方針を発表。そして2009年7月には、「2011年には、公立の小学校の約96%が年間授業時間を32~34時間増やす方向」だと、文部科学省が発表しました。2009年4月からは各学校の判断で、小学5年~6年生に英語の授業も取り入れられるようになったので、取り入れている学校も多いようです。
このように、公立の学校では、安定した授業が受けられないのも現実で、不信感を持つ親御さんも増えています。
そのため、最近では、小学校や中学校から私立の学校へ入学するというご家庭が増加しています。